令和7年社会保障審議会介護保険部会での次期介護保険制度改正に向けた「令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案」のポイント徹底解説

令和7年の介護保険制度改正に向けた介護保険部会の議論が、いよいよ本格化しています。介護保険部会で議論された「令和7年の介護保険制度の見直しに関する意見案」は、2040年に向けた大きな課題として、今回の介護保険制度改正は、介護保険制度の根本を大きく変える介護施設経営者にとって重要なイベントです。この記事では、令和6年12月25日に介護保険部会による「令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案」を解説し、介護保険部会での介護保険改正に関する議論の推移、介護保険制度改正の背景や、今回の介護保険制度改正の具体的な施策について詳しく解説します。介護保険制制度の見直しに関する意見案は、今まで全国一律だった介護保険制度を3つの介護保険制度に分けるという介護保険改正のなかでも大きな方向転換です。これにより介護保険制度は、大きな変革期に差し掛かり、今回の「令和7年の介護保険制度の見直しに関する意見案」を介護施設経営者もしっかりと把握しておく必要があります。

【社会保障審議会:令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案】       介護施設経営者が知っておくべき5つの重要ポイントを徹底解説

はじめに:介護保険部会の議論で決まった令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案は、大改革の始まり

2025年12月25日厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会が介護保険制度の大幅な見直しに関する意見書をまとめました。今までは、2025年の「地域包括ケアシステム」に向けて介護保険制度改正や介護報酬改定が3年に1回行われてきました。そして、介護保険制度が創設されてから25年が経過し、今まさに2040年に向けた大きな変革期を迎えています。介護施設を経営される皆さまにとって、今後の経営戦略を考える上で極めて重要な内容が盛り込まれています。

なぜ介護保険部会で、大胆な見直しを行うことになったか。3つの深刻な課題

介護保険制度を取り巻く環境は、この25年間で大きく変化してきました。特に今回の改正が急務とされる背景には、三つの深刻な課題があります。

まず一つ目は、高齢者、都市部を中心とした85歳以上の超高齢者の急増です。2040年には85歳以上の高齢者が大幅に増加し、介護と医療の両方が必要な医療介護複合ニーズを持つ方が急増します。85歳を超えると要介護認定率が58.2%に跳ね上がり、認知症の有病率も大きく上昇します。推計では2040年の認知症高齢者数は584万人に達するとされ、その対策も急がれています。さらに独居の認知症高齢者も167万人に達すると見込まれており、今までの家族を中心とした介護では不足するために、これまで以上に手厚いケアが必要になります。

二つ目は、介護人材の深刻な不足です。2022年度の介護職員数は215万人ですが、2040年度までに約57万人の追加確保が必要と推計されています。ところが2023年度には、介護保険制度創設以来初めて介護職員数が減少に転じました。介護関係職種の有効求人倍率は4.07倍と、全職業平均と比べて非常に高い水準が続いており、どの施設も人材確保に苦労している状況が数字に表れています。そこで、厚労省は、急遽「期中改定」を2026年6月に実施し、介護施設で働く従業者に対して、処遇改善加算の上乗せを行い賃上げを行うことにしました。

三つ目は、地域による状況の大きな差です。人口減少と高齢化のスピードは地域によって大きく異なります。過疎地域では既に高齢者人口が減少し始めており、全市町村の65%が2025年までに65歳以上人口のピークを迎えると見込まれています。一方で大都市部では2040年に向けて高齢者が急増し続け、介護ニーズが爆発的に増加します。このような地域差に画一的な制度で対応することが困難になってきており、三つの地域に区分けしていくことになりました。

令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案のポイント①:地域を三つのタイプに分けた柔軟な対応策

今回の介護保険制度改正の大きな特徴は、全国を主に三つの地域タイプに分類し、それぞれに応じた対応を進めることです。自分の施設がどのタイプの地域にあるかを理解することが、今後の経営戦略を立てる第一歩となります。

「中山間・人口減少」地域は、高齢者人口が減少し、サービス需要が縮小する地域です。すでに利用者数がピークを迎えている町村や広域連合が3割から4割に達しています。こうした地域では、担い手の不足が他の地域と比較しても更に深刻で、訪問系サービスにおける移動の負担や季節による繁閑など、経営課題が顕在化しています。

このような地域に対して、今回の改正では新たな特例サービスの枠組みが設けられます。人材確保やICT機器の活用など、あらゆる努力をしてもなお人材が確保できない場合、特例的に管理者や専門職の常勤・専従要件を緩和したり、夜勤要件を緩和したりすることが可能になります。また、訪問介護については、現行の出来高報酬とは別に、月単位の定額払いを選択できる仕組みも導入されます。これにより、利用者の突然のキャンセルや季節による繁閑の激しさがある地域でも、安定的な経営が可能になります。ただし、月単位の定額支払いの報酬はこれから議論されるため、報酬額によって経営戦略は大きく変わってくるでしょう。

さらに重要なのは、この新たな枠組みが施設サービスや特定施設入居者生活介護も対象とする点です。人口減少地域で施設を運営している経営者にとって、人員基準を緩和しながらもサービス提供を継続できる可能性が開かれます。ただし、この枠組みを利用するには市町村や都道府県との協議が必要で、地域の実情に応じた判断がなされることになります。つまり、このような地域では、介護施設が単体で経営をしていくのではなく、行政と一緒にどのように介護サービスを担保するのか、担い手である介護事業所や介護職員を確保するのかを考えていなければなりません。

次に「大都市部」は、2040年にかけて高齢者人口が増加し続け、サービス需要が急増する地域です。多様化する介護ニーズに応えるため、多様なサービスを提供するとともに、ICTやAI技術など民間活力も活用したサービス基盤の整備が重要とされています。需要増加が見込める地域ですから、テクノロジーを活用した効率的なサービス提供体制の構築が競争力の鍵となります。24時間365日の見守りを前提として、緊急時や利用者のニーズに応える効率的かつ包括的なサービス提供の在り方が検討されています。

「一般市等」は、高齢者人口が2040年までの間に増加から減少へ転じる地域です。既存の介護資源を有効活用しながら、需給の変化に応じてサービスを過不足なく確保する方策を今から検討しておく必要があります。将来的には中山間・人口減少地域になることを見越して、早い段階から準備を進めることも重要です。ここで難しいのが、目先数年間は高齢者人口は増加するが、その後、減少するという二つの期間を経験することです。すでに一般等の地域では、高齢者人口は「増加しているけど、以前よりも増加してない、もしくは、停滞期に入っている」という場合もあります。その場合、介護施設経営者は、人口動態を把握し、それに合わせた経営をしていかなくてはなりません。

最近よく聞くようになったのは「コロナ以降、新規の利用者が減った」ということです。確かに、コロナ禍では、新規の利用者が減少しました。しかし、コロナが明けても以前のように新規の利用者が来なくなった介護施設が多くあります。確かに少しは、コロナの影響もあるかも知れませんが多くの地域では、人口動態が変わり、高齢者人口が以前ほど増加していない可能性もあります。そして、今後はさらにその傾向が強くなる地域も出てくるでしょう。

令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案のポイント②:有料老人ホームへの規制強化で透明性を確保

有料老人ホームに関する規制強化も、今回の改正の大きな柱です。多様な介護ニーズの受け皿として増加している有料老人ホームですが、一部で深刻な問題が指摘され大きなニュースにまでなりました。同一・関連法人が運営する介護サービス事業所との過剰な介護サービス提供、いわゆる「囲い込み」の問題が長年指摘されています。また2024年秋には、給料未払いによる職員の一斉退職で入居者が短期間に転居を余儀なくされた事案や、高額な入居者紹介手数料の問題も表面化しました。

こうした状況を受けて、中重度の要介護者や医療ケアを要する要介護者等を入居対象とする有料老人ホームについて、現行の届出制から登録制という事前規制に移行する規制強化が検討されています。登録制の対象となる施設では、介護・医療ニーズや夜間における緊急時の対応を想定した職員の配置基準、ハード面の設備基準、虐待防止措置、介護事故防止措置や事故報告の実施などについて法令上の基準が設けられます。また、質の維持を確保するため更新制も導入され、不正等の行為により行政処分を受けた事業者については、役員等の組織的関与が認められる場合に一定期間開設を制限する制度も検討されています。

介護施設経営の透明性の確保も重視されており、全ての有料老人ホームが契約書に入居対象者を明記し、公表するとともに、自治体に提出する事業計画上にも記載することが義務付けられます。また、事業者団体による第三者評価の仕組みが制度的に位置付けられ、情報公表システムの充実も図られます。

有料老人ホームを運営する経営者にとって、これらの規制強化は初期投資や運営コストの増加につながる可能性があります。しかし同時に、適切に運営している施設にとっては質の高いサービスを提供している証明となり、差別化要因となります。規制強化を前向きに捉え、より信頼される施設づくりに取り組むことが重要です。

令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案のポイント③:介護人材確保と生産性向上が介護施設経営の最重要課題に

介護人材の確保と職場環境改善に向けた生産性向上は、すべての介護施設経営者にとって最重要課題です。今回の改正では、この課題への対応が大きく強化されます。

まず、人材確保や生産性向上、経営改善支援等の取組について、国や都道府県が果たすべき役割が制度上も明確化され、責務として位置付けられます。都道府県が設置主体となり、地域の関係者が参画した人材確保のためのプラットフォームが構築されます。このプラットフォームでは、地域の実情等の情報を収集・共有・分析し、それぞれの役割・機能を果たしながらネットワークの中で協働して実践的に課題解決に取り組みます。

生産性向上については、2040年に向けて介護分野全体で20%の業務効率化を目標とすることが掲げられていますがこれは、非常に高い目標です。よって、早急に2029年度までの5年間に集中的な支援が実施されます。具体的には、介護テクノロジーの導入支援、いわゆる介護助手等へのタスクシフト・タスクシェアの推進、生産性向上の取組を評価する加算の創設などが進められます。また、それに伴い補助金、助成金も出るため、これらの補助金や助成金を上手く活用しながら生産性を高めることが重要です。

各都道府県には「介護生産性向上総合相談センター」が設置され、介護事業者等からの生産性向上等に関する相談を受け付け、適切な支援につなげる体制が整備されています。施設経営者は、こうした支援を活用することができます。

また、これは非常に難題ですが、事業者間の協働化や連携も制度として推進されます。報酬の請求や記録・書類作成事務といったバックオフィスの業務等の間接業務を共同で行うことで効率化を図ることができます。

職場環境改善の観点からは、カスタマーハラスメント対策も強化されます。全ての介護事業者に対して、運営基準等において現行のセクシュアルハラスメント・パワーハラスメントへの対応に加え、カスタマーハラスメントへの対応についても義務付けが行われます。職員が安心して働ける環境づくりは、人材確保・定着の基盤となります。これは、すでに2024年度の介護報酬改定でも規定されており、運営指導の対象にもなっています。ハラスメントの指針や対策など各事業所で対策が必須となっています。

経営者として重要なのは、生産性向上を単なるコスト削減ではなく、サービスの質向上につなげることです。テクノロジーの活用や業務効率化により生み出した時間を直接的な介護ケアの業務に充て、職員への投資を充実させることで、介護サービスの質を向上させるという考え方が基本です。

令和7年介護保険制度の見直しに関する意見案のポイント④:介護給付と負担の見直しが利用者と経営に与える影響

給付と負担の見直しも重要なテーマです。介護費用の総額は制度創設時から約4倍の14.3兆円となり、第1号保険料の全国平均も制度創設時の2,911円から第9期の6,225円へと大幅に増加しています。制度の持続可能性を高めるため、能力に応じた負担という全世代型社会保障の考え方に基づいた見直しが進められます。

利用者負担割合については、現在「一定以上所得」の判断基準が年金収入プラスその他合計所得金額で単身世帯280万円以上、夫婦世帯346万円以上の方が2割負担となっていますが、この基準を引き下げる方向で検討が継続されています。高齢者の消費支出や預貯金の状況を分析すると、現在の2割負担対象者以外にも相対的に負担能力があり負担が可能と考えられる方がいることが確認されています。

ただし、一割が二割になると利用者の負担は「二倍」になるわけですからこの急激な負担増を避けるため、配慮措置も検討されています。一つは当分の間、新たに負担増になる方の負担増加額に上限を設ける方法で、月7,000円程度が想定されています。もう一つは、預貯金等が一定額以下の方は申請により1割負担に戻す方法です。預貯金の確認については、現行の補足給付の運用を踏まえ、自己申告を基本としつつ不正な申告が検知された場合の加算金を設けるなどの措置が検討されています。

一方、現在の日本は、30年近く続いたデフレ経済からインフレ経済に変わりました。価格の優等生と言われたたまごや日本人の主食であるお米の価格が高騰し、国民生活の大きな負担になっています。これは、高齢者や要介護者も同じであり、この時期に、負担を増やすのはどうかという考え方もあります。よって、この2割負担増に関しては、2025年内では結論を出さず、再度、2026年に議論されるようになりました。

ケアマネジメントに関する給付の在り方も重要な論点です。現在、ケアマネジメントは10割給付となっていますが、登録制の対象となる有料老人ホームの入居者に係る新たな相談支援の類型について、利用者負担を求めることが検討されています。特定施設入居者生活介護等との均衡の観点からの措置ですが、慎重な検討が求められています。

これらの給付と負担の見直しは、利用者の経済的負担に直接影響します。介護施設経営者としては、利用者への丁寧な説明が必要になるとともに、負担増によるサービス利用への影響にも注意を払う必要があります。介護施設経営者としては一番、懸念されるのが「サービス利用控え」です。たとえば、通所サービスの場合、利用者負担額が2倍になると、「週2日を週1日に減らす」ことも考えられます。利用者の自己負担が増額しても、介護施設の収入は同じなので、サービス利用控えが起こると、収入の減少につながります。

さらに、介護保険部会で議論された5つのこと

介護保険部会の議論①:ケアマネジャーと地域包括支援センターの役割が明確に

地域における相談支援体制の充実も重要なテーマです。2040年に向けては、医療介護複合ニーズを有する高齢者、認知症高齢者、頼れる身寄りがいない高齢者等が増加します。こうした中で、地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の適切な連携・役割分担が必要とされています。

地域包括支援センターは、医療・介護連携を始めとする地域のネットワークづくりや、地域における社会資源の創出など、地域全体の支援に重点を置きます。一方、居宅介護支援事業所は、医療機関や地域の関係者との連携の下、個々の利用者に対するケアマネジメントに重点を置き、地域の様々な社会資源をケアプランに位置付けることによる個別的な支援を推進します。

ケアマネジャーの環境整備も進められます。ケアマネジャーの担い手も不足しており、ここ数年では、ケアマネジャーの人数は、横ばいから減少傾向になっています。また、ケアマネジャーで一番、多い年代は50代で、新たな担い手を作っていかなければなりません。

そのため、資格取得要件が緩和され、受験対象の国家資格に診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、救急救命士、公認心理師が追加されます。また、実務経験年数も5年から3年に短縮されます。これにより、ケアマネジャーの新規入職が促進されることが期待されます。

また、更新制と研修受講の紐付けが廃止されます。これにより、研修を受講しないことで直ちに資格を失うといった取扱いがなくなり、時間的・経済的負担が軽減されます。ただし、専門職として継続的に研修を受講することの重要性は変わらず、定期的な研修受講は引き続き求められるため、どれだけ負担が減るのかはまだ未知数です。

介護保険部会の議論②:認知症施策の推進で本人参画の取組を強化

認知症施策の推進も重要な柱です。2040年には認知症高齢者が584万人に達すると推計される中、認知症基本法に基づく取組が進められます。「新しい認知症観」に立ち、認知症になっても希望を持って暮らし続けることができる社会を目指します。

都道府県や市町村がそれぞれの実情に即した認知症施策推進計画を策定し、計画的に進めることが重要とされています。その際、認知症の人本人の参加・参画を確実に進めることが求められます。

認知症地域支援推進員の適切な配置を一層進めるとともに、認知症カフェの取組からピアサポート活動等への広がりを支援します。ピアサポートや本人ミーティングといった取組について、モデル実施も含めた支援に向けた枠組みを段階的に構築していきます。

また、介護従事者に対する研修の見直し時期を捉えて、認知症の人本人の思いや声を正しく聴くことについて研修に組み込むことも検討されています。

施設経営者としては、認知症ケアの質の向上に継続的に取り組むとともに、本人や家族との協働をより一層進めることが求められます。職員研修の充実はもちろん、施設運営における本人参画の仕組みづくりも重要になります。

介護保険部会の議論③:医療と介護の連携を本格的に強化

2040年にかけて、介護と医療の複合ニーズを有する85歳以上の高齢者が一貫して増加します。適切な医療・介護サービスの受け皿を確保するため、医療・介護連携の強化が急務となっています。

今回の改正では、都道府県レベルで設置されている「医療と介護の協議の場」を実効性のある形に再編成することが提案されています。この協議の場では、2040年に向けた医療・介護連携に係る提供体制等について本格的に議論を行います。具体的には、地域の医療介護の提供体制に係る地域課題の検討、慢性期の患者の受け皿の検討、高齢者施設等と協力医療機関の連携の推進などが議論されます。

また、厚生労働省でに「新たな地域医療構想」との接続も重視されており、医療と介護それぞれの2040年の見込量、地域における医療・介護の在り方、医療や住まいも含めた需要に適した提供体制への転換、事業所の協働化等の検討などが中長期的な検討事項とされています。

介護施設を経営する立場としては、特に老健や通所リハビリでは、協力医療機関との連携がより一層重要になります。施設入所者の急変時の対応、日常的な医療ケアの提供など、医療との密接な連携体制を構築しておくことが求められます。地域の医師会等との関係構築も含め、医療側との顔の見える関係づくりを進めることが必要です。医療機関との連携強化は、新規の利用者獲得のためにも非常に重要です。お互いに信頼性を高めれば、患者・利用者にとってもメリットがあり、さらに、医療機関側も安心してやりとりができる介護施設との連携は多くのメリットがあります。よって、特にこれからの入所系施設経営は、医療機関連携も大きなポイントになってくるでしょう。

介護保険事業計画も変更:介護施設経営に大きなインパクトを残す

介護保険事業計画の在り方も大きく変わります。市町村が定める中長期的な推計について、介護保険事業計画の記載事項として位置付けが明確化されます。都道府県についても、2040年に向けての中長期的な推計を介護保険事業支援計画の記載事項に追加します。

計画には、中山間・人口減少地域対応として特例介護サービスや新たな事業の導入及び導入地域、医療と介護の協議の場で検討した医療・介護連携に係る提供体制の構築に必要な取組、有料老人ホームにおける入居定員総数及び要介護者の入居状況、総合事業の基盤整備を推進するための都道府県の支援、人材確保や生産性向上等による職場環境改善、経営改善支援等に係る地域の目標及びその達成に向けた方策などを記載することとなります。

まとめ:この大変革をチャンスと捉えて前向きな経営を

2040年に向けた介護保険制度の見直しは、介護施設経営者にとって大きな変化をもたらします。規制の強化、人材確保の困難さ、利用者負担の見直しなど、課題は山積しています。しかし、これらの変化は同時に新しいチャンスでもあります。

稼働率が低下していた老健や特養では、老人ホームの規制強化は、ある意味チャンスになるかも知れません。医療機関や地域のケアマネジャーとの連携を強化し、入所者を増やしていくことが重要です。さらに、通所リハビリや通所介護も同じく、地域のニーズに合わせたサービスを提供し、いかに稼働率を上げていくかが今後の経営課題になるでしょう。訪問看護、介護はこれから需要は高まることは間違いないですが、いかに職員を確保していくかが最大の経営課題になるでしょう。

重要なのは、これらの変化に受け身で対応するのではなく、能動的に変化を捉えて経営戦略を立てることです。自施設が所在する地域の特性を理解し、地域で求められる役割を明確にし、そのために必要な投資や体制整備を計画的に進めていくことが求められます。

以上、今回は、介護保険制度の見直しに関する意見を解説しました。今回の制度改正は、介護保険制度が25年の歴史を経て、次の15年、20年を見据えた大きな方向転換です。地域に必要とされる施設として、質の高いサービスを提供し続けるために、今から計画的に準備を進めていきましょう。変化をチャンスと捉え、持続可能な経営を実現することが、すべての介護施設経営者に求められています。